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墨攻 [中国映画]

映画『墨攻<ぼっこう>』試写会プレゼント
映画公式サイトhttp://www.bokkou.jp/

「墨攻」観てきました。

この映画のバックグラウンドにある思想に心打たれその感動の余韻にしばらく酔いそうです。

春秋戦国時代、他人を等しく愛せよという”兼愛”侵略と併合は人類の犯罪とする”非攻(専守防衛)”などの思想を広めるために活動していた集団がありました。この集団とは墨家墨家は儒家と並ぶほどの勢力を持っていたのですが、秦の時代に忽然と姿を消し、その後2000年の間、中国の歴史から忘れ去られてしまうのです。この墨家の男・革離(かくり)を主人公にしたコミック「墨攻」(森秀樹作)をもとにこの映画が作られました。なんとこのコミックはもう10年も前に連載が終わっています(そのコミックのさらに元となった原作は酒見賢一氏の直木賞候補にもなった同名小説だとのこと)この時代に必要なメッセージがたくさん含まれているから出てきたチベットのお経=埋蔵経みたいな映画だ、と私は思いました(チベットのお経は埋蔵されていてその時代に必要なら掘り出されると信じられています)

アンディラウ演じる革離(かくり)が、まさに墨家の一人で当時戦術家として、いろんな国を行ってはその戦略をたてその国を勝利へと導くのですが、その彼の使命は戦わずして守ること。まさに非暴力なのです。それでも相手が攻めてきたら、なるべく敵も味方も犠牲者が出ないように心を配り、戦術を練り、備える。力を貸した国の国王から、「(君のお陰で)相手にかなりのダメージを与えたので手柄を取らす」と言われても、「人命がたくさん奪われて表彰されるということがおかしい」と言ってそれを拒否し、どんな物品も何ひとつ受け取ろうとしないので、その国の人々から信望をますます集めていきます。そのうちその国王は革離(かくり)が人々の信望を集め自分の国を乗っ取ろうと謀反を企てているのではないかというとんでもない妄想を抱き、革離(かくり)を殺そうとします。恩を仇で返すのです。しかしその国の若君の咄嗟の芝居で革離(かくり)はそこから脱出し、戦に巻き込まれ若君は死んでしまいます。・・・・・・

話のテンポも映画の壮大さも素敵でした。黒澤監督の「影武者」の騎馬隊の数の多いシーンや、ジョンフォード監督の「アパッチ砦」の籠城のシーンを髣髴とさせる場面もあり、迫力満点。映画の端々にこの墨家の思想がちりばめられ、それはそれは心を打たれます。これらの思想が中国の春秋戦国時代に既にあったということが驚きです。インドのガンジーのアヒンサー(非暴力、不殺生)やチベットのダライラマ法王の慈悲と非暴力の教えに通じるものを感じます。今こそこのメッセージが世界中に伝わるといいなあと素直に思えました。

この映画は中国、日本、香港、韓国のアジアの国共同で作られ、役者は香港、中国、韓国、台湾から出演し、日本のコミックが原作となっています。日本のコミックのレベルの高さが知れた気がします。内容が深いです。またコミック作家の森秀樹氏がこの映画に寄せてコメントを出しています。

「『墨守』という言葉がある。意味は守り通すこと。今では使うことも見かけることもなくなったが、国語辞典にはまだ残っている。このわずか二文字の熟語が墨家への敬意とその活動の凄まじさを伝えてくれた。不可能を可能にせんと働いた墨者の姿が浮かぶ。・・・」

お勧めです。


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たいちさん

私のブログにコメント有難うございます。
「墨攻」と「幸せのちから」の試写会が、ダブリましたので、「墨攻」を断念しました。
「不都合な真実」は、京都でも500円の設定がありますので、きっと東京でもあると思うので、調べてはどうですか。
大阪の試写会は、東京に比べて、極端に少ないです。東京が羨ましいですね。
by たいちさん (2007-01-15 15:30) 

naonao

>Travelerさん、nice!ありがとうございます。

>たいちさん、私のほうにも訪問していただいてありがとうございます。そうですね。東京ほど試写会してるところもないでしょうね。ありがたいですね。私も重なって見れなかった試写会はたくさんあります。つい最近では「ラッキーナンバーセブン」「武士の一分」「父親たちの星条旗」。どちらを見ようか本当に悩みますね。
by naonao (2007-01-15 22:35) 

サト

こんにちは。はじめまして。
コミックで墨攻読んでました。
あのはげおやじの革離がアンディラウでどうなるのか(笑)
違和感なさそうですね〜見たくなってきました。
by サト (2007-01-16 22:43) 

naonao

>サトさん、はじめまして。訪問頂きありがとうございます。
私はコミック読みたくなってます。はげおやじなんですか?それは驚きです!!この映画本当に素敵だと思いました。是非映画見てサトさん感想聞かせてください。
by naonao (2007-01-17 22:08) 

おっとぉ

この作品、僕もコミックで読んでました。コミックもそろえてませんし、毎週欠かさず読むというほどではなかったんですが、面白かったことは覚えています。
ただ、当時、残念ながら「命を大事に」という思想が背後に流れていることには気付きませんでした。惜しかった、もっと楽しめたかもしれませんでしたね。
by おっとぉ (2007-01-23 00:18) 

naonao

>おっとぉさんありがとうございます。おっとぉさんも読んでいたんですね。結構読んでる人多いのにびっくりです。1週間前有楽町マリオンに行ったら大きく柱にこの映画の宣伝がしてありました。2月3日公開なのに早々宣伝してるなあと思いました。ヒットして欲しい映画のひとつです。
by naonao (2007-01-23 19:28) 

はじめまして、kurumiと申します。
原作を知らず、ただアンディ・ラウ氏の映画だからという不純(?)な動機で
観に出かけましたが とてもいい映画でした。
革離の戦略に驚かされ 感心し そして心打たれました。
思っていた以上にすばらしい映画だったので うれしかったです。

おっしゃるように こんなすばらしい思想が2000年も前にあった国。
すごいと思いました。
by (2007-02-08 01:45) 

naonao

>kurumiさん、こんばんは。
私も単に試写会当たったので何も知らずに出かけましたが、本当にバッググラウンドの思想が素晴らしくて、感激しました。もちろんアンディ・ラウは格好良かったし、役にみごとはまっていましたね!!
by naonao (2007-02-08 20:58) 

まなてぃ

こちらにも参上。(^-^)v
『墨攻』は本当に良い映画でしたねぇ。
ただのドンパチだけでなく、思想や戦いの悲哀や、
人間模様と、まんべんなく挿入されていて、
久しぶりに「おもしろかったぁあ・・もう一回観ちゃおうかなぁ・・」(^^;;)と
思いながら、映画館を後にした作品でした。
この調子で、どんどん良い映画にめぐりあいたいもんですね。
by まなてぃ (2007-02-09 20:28) 

naonao

>まなてぃさん、こちらにもありがとうございます。
良い映画との出会いは本当に大切ですね。「人生は感動したもの勝ち」と私は思ってるので、これからも私もまなてぃさん同様、そういうめぐりあいを望んでます。
by naonao (2007-02-09 22:30) 

プック

初めまして、こんばんは。
私の拙い文章にナイスをありがとうございます☆
naonaoさんも映画観られたんですね!
そのうち、コミックスやコミックスの原作となった小説を
読んでみたいと思っています。
でも原作には、私の好きな逸悦は登場しないんですよねー
寂しいo(;△;)o
by プック (2007-02-13 21:17) 

naonao

>プックさん、こんばんは。
ブックさんのレビューが拙いなんてとんでもないです。
ノベライズとの比較を書いていて、とても参考になりました。「弟子入りします」っていうのは本当映画を観たみんなの気持ちを良く代弁してると思いました。何とも格好良い思想を持った集団だったし、革離でしたよね!!
by naonao (2007-02-13 21:55) 

naonao

>深空さん、nice!ありがとうございます。
by naonao (2007-02-25 22:37) 

深空

naonaoさん、初めまして、ご挨拶が遅れてすいません(汗)コメント送信したらエラーになってしまい・・・^^;
naonaoさんの記事を読んで、墨家の存在、思想が多少なりとも分かりました。予習?しておいた方が、楽しめるし深みを味わえる作品ですね。原作の漫画も読んでみたいです。
by 深空 (2007-02-26 00:23) 

naonao

>深空さん、こんにちは。夜はso-netブログ全く動かなくなりますね。
私もこの思想はこの映画で初めて知りました。今こそ広めたい思想ですね!!
by naonao (2007-02-26 17:30) 

リネン

始めまして、なんだかnice!を頂いちゃいまして・・・

中国の兵法では「孫子」が割とメジャーですが、それによると、
「兵は不肖の器にして、君子の器にあらず」なのだそうですね。
心底りっぱな支配者なら武力なんかに頼らなくても済むはずなんだよー、という意味ですが(意訳しすぎ)、
『墨攻』を見て、この言葉の意味を改めてかみしめちゃいました。
あぁ、孫子は別に、スカしてこんなこと言ってたんじゃなかったんだなって。

孫子も、墨家とほぼ同時代か、もうちょっと後の思想だったと思います。
naonaoさんのおっしゃるとおり、この時代にこんな思想があったのっ?! ・・・と、いつも驚かされますね。春秋戦国時代。
by リネン (2007-03-08 22:37) 

naonao

>リネンさん、こんばんは。
リネンさん、この時代の思想についてよく知ってますね!!私は恥ずかしながらそんな尊い思想があったのか!?と初めてこの映画によって知り驚きました。この思想を知っただけでもこの映画を観た価値がありました。孫子も同じなんですね。すごいです!!
by naonao (2007-03-08 22:49) 

こんばんは!しらたまぞうです^^naonaoさんのブログを読ませていただき、墨攻とっても見たくなりました!ただ、アンディがかっこいいとかだけではなくて、その底に流れる思想にとっても興味がでてきて・・^0^
naonaoさんがわかりやすく書いてくださったおかげです~!
他にもとっても興味深い記事がいっぱいで、わくわくしますね。
またぜひ遊びにこさせてくださいませ^^/
by (2007-03-10 01:15) 

naonao

>しらたまぞうさん、こんにちは。
しらたまぞうさんのようにアンディラウのファンではないのですが、この映画見てアンディラウが格好良く思わずファンになりそうです。
by naonao (2007-03-10 11:01) 

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