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アイ・イン・ザ・スカイ [イギリス映画]

ニッショーホールで「アイ・イン・ザ・スカイ」を観てきました。

 ポスター画像

映画公式サイト:http://eyesky.jp/

実際の戦場からは遠く離れた安全な会議室でドローンを見ながら決定を行う現代の戦争。その闇をリアルにあぶり出し、正義とは?モラルとは?を問うサスペンス映画。映画全編を通してハラハラして画面から目が離せませんでした。ロッテントマトの評価は95という驚異の満足度作品。私も大大満足の映画でした。

イギリスの諜報機関で働くパウエル大佐(ヘレン・ミレン)は、大規模な自爆テロを事前に見つけます。ちょうどアメリカとイギリスのドローンを使った合同訓練を行っており、ドローンをカイロ上空まで飛ばしていたのです。テロリストで指名手配となっていた何人かが一気に一つ屋根の下に集まることがわかり、現地のスタッフに鳥型や、昆虫型(カナブンみたい)のドローンを操作させ、テロリストが集う部屋まで映像を映させています。さっそくアメリカネバダ州にいるドローン・パイロットのスティーブ(アーロン・ポール)に直接ドローン攻撃をさせるため、国防相のベンソン中将(アラン・リックマン)に連絡を取り許可を得ます。しかし爆破地近くの殺傷圏内にパン売りの女の子がパンが売り始めその場所を動かないのです。その女の子の命を取るか、はたまたこれから80人ほどの命を奪うであろうこのテロリストを即座に殺すのか。アメリカ、イギリス両政府の閣僚たちに次々に連絡を取りますが、まるで誰も責任を取らないようなたらい回しの状態…。

よく湾岸戦争の時に、「画面を見て爆弾を落とすのがまるでゲームのようだ」と聞いたことがありましたが、この映画にもそんなゲーム感覚があるのだろうと思ってましたが少し違ってました。今は技術の進歩で画像がはっきりくっきりと映り、爆弾が落とされる人たちの表情のひとつひとつまでわかり、さらにはコンピューターによってその人物の特定まで瞬時にされてしまいます。それだけに余計、ドローンを操縦して爆弾を落とすパイロットは、ボタンを押したその何十秒後かに、殺傷圏内に民間人が入り込むと気が気でありません。映画の中のパイロットが特にそうであったように心労が大変なものだとわかりました。こんな心労の伴う仕事は決してやりたくないなと私自身は思いました。

また現地のスタッフが危ない地域に入り込み、標的となる家の近くまで行って、小型の鳥や昆虫の型をしたドローンを駆使し、中の人にも気づかれないように家の中にドローンを侵入させ、その部屋の中で行われていることをはっきりと映し出します。その小型のドローン。今はここまですごくなっているのだとやはり感心してしまいました。それと同時に、こんなものを普通に誰でもが使えるようになったら怖いなとも思いました。プライベートも何もあったものではありません。また、偉い人たちは本当に完璧なほど安全な場所で命令を下すだけですが、現地のスタッフはそれこそ命がけで任務を遂行しなければなりません。実際映画の中でも、小型昆虫型ドローンを扱う現地スタッフは命からがらでした。そういったことがとっても不条理でやるせない感じでした。

そして一番重い選択。一人の女の子の命を救うか?はたまたこれから80人の人をテロに巻き込もうとしているテロリストたちを一気に殺すか?あなたならどうしますか?と迫るこの映画。映画の中では民間の女の子の殺傷率は本当は65%くらいだと出しているのに上部から50%以下(45%だったかな?)でなければ爆弾を落としてはいけないと言われたため、無理に50%以下と部下に言わせて、それを上部に報告して無理に爆弾を落とす命令を下すパウエル大佐。その結果女の子は亡くなり、テロリストは皆殺し。女の子の人命を犠牲にすることが良いことなのか、たぶん意見はいろいろ分かれると思います。この重いテーマはハーバード大の超人気なマイケル・サンデル先生の講座でも扱っているテーマだったなあと思い出しました。すべてがウィンウィンにならない重いテーマ。だからこそ永遠にこの問題にはこれといった答えが出ないのでしょう。考えさせられます。

それにしても空の目=ドローンがここまで既に来ているのか、と驚かされた映画でした。


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naonao

>nice!をいただき、皆様ありがとうございます。
by naonao (2017-01-03 18:06) 

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