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シンデレラ イタリア版 [イタリア映画]

「シンデレラ」(イタリア版)を観ました。

シンデレラ ≪2枚組/完全版≫ [DVD]

シンデレラ ≪2枚組/完全版≫ [DVD]

  • 出版社/メーカー: アメイジングD.C.
  • メディア: DVD

2011年のイタリア作品。イタリア国営放送局製作。原作童話「シンデレラ」を基に、戦後のイタリアを舞台に描く。ピアニストを目指すオーロラ(ヴァネッサ・ヘスラー)は、父が亡くなると生活が一変。ピアノも弾くこともできなくなり、継母が経営し始めるホテルで召使のように働くようになりますが、いつでも夢を諦めずにいます。幼い時出会った隣の名前も知らない男の子に淡い恋心を描き、20歳になって隣の家のパーティーデリバリーで家に出入りするようになると、果たしてその人が恋心を描いてきたその初恋の人だったのか、疑心暗鬼になります。ある日、クーパーという富豪の老女がホテルのスイートルームに無期限で宿泊するようになると、彼女から隣の家の舞踏会の招待状を渡され、彼女の計らいでパーティーに参加することになります。これが前編です。

そして後編は、オーロラはパーティに参加して隣の家の息子セバスチャン(フラヴィオ・ヴァレンティ)の気を引くことになりますが、仮面舞踏会であり、12時まで急いで帰らなければならず、片方の靴を残したままその場を立ち去ります。その後セバスチャンは仕事上の付き合いから会社の令嬢と結婚するように事を進めなければならない状況でしたが、パーティで出会った名も知らぬ女性が忘れられず、靴を手掛かりに女性を探します。そしてオーロラは自分の正体をセバスチャンに明かそうとするもなかなか勇気がなくて明かせず、そのうちセバスチャンは社長令嬢と結婚を発表。一方傷心のオーロラはピアニストの夢を諦めきれずにピアノの学校に入りたいと願い、その試験を受け合格。初の公での演奏会に出席することになりますが、その日は奇しくもセバスチャンが社長令嬢との結婚式の日でありました。二人の運命やいかに!?…。

メチャクチャ素敵な映画でした。もちろん衣装や家、調度品も素敵。10億円を超える総製作費ですから頷けます。また次から次へと話の展開も速くてどんどんこの映画に引き込まれました。何よりオーロラ役のイタリアのスーパーモデルというヴァネッサ・ヘスラーが美しかった!彼女の出演する映画をもっと観たくなりました。そしてシンデレラのストーリーを現代版に仕立てているのも二重丸。王子様は現代の青年実業家で、魔法使いのおばあさんは財産家で実業家。しかもオーロラの実の祖母で亡くなった母を勘当してしまい孫がいることを会うまで知らずにいたという設定。二人の継母の娘たちはオーロラがせっかく自分で縫ったドレスを当日になって引き裂き着れないようにしてしまい、でも祖母がコネですぐにチネチッタ映画撮影所で彼女に合うドレスを見つけ出し、着れるようにしてくれ美しい靴も作ってくれるのです。またかぼちゃの馬車は乗っていた車が途中で故障し、たまたま通りにあった馬車に乗せてもらいことになり馬場に12時まで戻らなければならないという設定でした。

オーロラとセバスチャンの初めての出会いが緑濃い迷路の庭で、しかもオスカー・ワイルドの「幸福の王子」の本(この話個人的に大好きです)をセバスチャンがオーロラに貸してあげてキスして別れるという素敵なものでした。またオーロラは子供の時の夢のピアニストになることを諦めません。そしてセバスチャンも兄の亡きあと自分が父親の期待を一手に背負い実業家になろうと努力しますが、実は空想することが好きで、ものを書くことが好きで、それを大人になってすっかり忘れ、オーロラに再会し何度か会うことで、本当に好きだったことを思い出します。ついには父の期待する人物でなく自分がなりたい本当の自分になるという物語でもありました。

オーロラの弾くショパンの曲も素敵でしたし、オーロラとセバスチャンの二人がスクーターに乗ってローマの街をデートするシーンが「ローマの休日」を彷彿とさせるのも素敵でした。もちろん仮面舞踏会の華やかなパーティーも。そして極めつけは花婿(セバスチャン)が結婚式当日ドタキャンして花嫁を泣かせ、本当に好きな人(オーロラ)の元に走り、自分の生き方を選んだこと。それとこじれかけた祖母と孫の関係が最終的にはこちらも修復しますが、関係がぎくしゃくしてた時に祖母が孫(オーロラ)に「許してくれなくてもいい。でも私はあなたに幸せになってもらいたい」という言葉にはグッときました。

良くできていました。難を言えばセバスチャンのちょっと優柔不断さにイラッと来ましたが、まあそれでも素敵なハッピーエンドストーリーで、安定感のあるいい映画でした。時間を置いてもう一度観たいくらいに良かったです。

驚いたのは「大聖堂」に出ていたエディ・レッドメインが演じるジャックの母親エレンを演じてたナタリア・ヴォルナーが今回のこの映画では継母役ですごくはまっていたこと。どこかで観たことある顔と思っていて「大聖堂」に出ていたと思い出せてすっきりしました。こういうのも楽しかったです。

夢がある女性好みの物語でした。


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カプチーノはお熱いうちに [イタリア映画]

「カプチノーはお熱いうちに」を観ました。

カプチーノはお熱いうちに [DVD]

カプチーノはお熱いうちに [DVD]

  • 出版社/メーカー: オデッサ・エンタテインメント
  • メディア: DVD


2014年のイタリア映画。イタリア本国では大ヒットし、イタリア・アカデミー賞に全11部門にノミネートされた人気の作品。

カフェで働くエレナ(カシア・スムートニアック)は生き方も性格も全く違うアントニオ(フランチェスコ・アルカ)と出会い、恋に落ちる。13年後親友でゲイのファビオ(フィリッポ・シッキターノ)と共にカフェのオーナーとなって成功を収めてもいたが、乳がんの告知を受け、その治療の日々が始まる。

軽い気持ちで観始めました。内容を確かめず初めは軽いラブストーリーかなあと思って観てましたが、いきなり13年後に舞台が映り、そこからエレナとファビオがカフェを開いて成功を収め、またエレナとアントニオが結婚して二人の子供がいる家族になっていることがわかります。そして浮気を続けている夫アントニオとすれ違う倦怠期の夫婦が描かれます。しかし、そんなとき妻のエレナに乳がんが見つかるのです。それまでの軽いタッチの映画から一気にシリアスになり、まるで同じ映画とは思えない作りになっていました。その落差に最初はかなり戸惑いましたが、ラストに向かってかなり良かったです。最後は若き時の二人の様子が映し出され、海にデートに行ってバイクがぶつかりそうになった車が実は未来の自分たちであったり、またシルビアという親友の彼であったアントニオと恋に落ちたエレナはシルビアに謝るためにカフェに会いに出かけるのですが、実はシルビアもまたエレナの彼と恋に落ち、それを泣いて謝るという笑えるエピソードを混ぜたり、最後にエレナは亡くなってしまうのでしょうが、若き日々の輝かしい日々を見せることで、そしてそれは映画の前半では見せていなかったエピソードとして、とっても素敵な映画になっていました。人生はいいものだなあと思え、イタリアで大ヒットしたという理由がとってもよくわかりました。

エレナが病気になってから出会った、同じ病室の女性とのやり取りも微笑ましかったし、今は亡きエレナの弟と関係があったファビオが今はエレナの親友になっていて、病室にいる彼女と離れていても携帯でゲームをしていたり、またもう先のないエレナが見た未来が、夫が浮気をしていた理容店の女性と結婚して子供が生まれ、その子供に自分の名前エレナをつけているものでそれをエレナ本人が嫌がり、また母親が叔母さんと仲たがいしていることでさえ、すべてのエピソードが愛すべきものになっていました。

編集の仕方、見せ方ひとつでこんなにも気分よく映画を観終えられるのは「ワンディ 23年のラブストーリー」と似ています。人が亡くなってしまったところで終わってしまったら、未来に光も希望もないけれど、若き日の輝かしい日々を見せて終えれば、観ているこちらには素敵な余韻が残ります。「ワンディ~」同様、生きることの素晴らしさ、どんな楽しいことも酷いことも、何だかすべてが愛おしいと思えました。いい映画でした。

余談:エレナを演じたカシア・スムートニアックは一か月で8キロの減量、またアントニオを演じたフランチェスコ・アルカは一か月で13キロの増量をそれぞれ役のために行ったとのこと。デニーロやレネー・ゼルウィガー顔負けだなあと思いました。


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恋するショコラ [イタリア映画]

「恋するショコラ」を観ました。

恋するショコラ[DVD]

恋するショコラ[DVD]

  • 出版社/メーカー: ラインコミュニケーションズ
  • 発売日: 2013/04/19
  • メディア: DVD



2007年のイタリア映画。

建設業を営むマッティア(ルカ・アルジェンテロ )はたくさんの収益を上げたいと考え、安い外国人労働者を使って工事を進めていたが、ある日エジプト人のカマル(ハッサニ・シャピ)が足組のない現場で手に怪我を負い、これは違法であり警察に訴えると声を上げた。そして自分の代わりにショコラティエの学校に通い、その術を学び自分の名前で卒業証書をもらわなければダメだとマッティアを脅す。マッティアはエジプト人カマルに成りすまし、ショコラティエの学校に通い始めるのだが・・・・。

B級映画でした。でも結構コミカルで笑えて楽しかった。こういう映画も結構好きだと思いました。タイトルからすごく素敵な恋愛ものを期待していましたが、笑ってしまうほど見事裏切られた!それよりも利益ばかりに執着していたイタリア人のマッティアがエジプト人のカマルに成りすますことで、イタリア社会にある移民たちの置かれた立場が分かり、またカマルと関わることでよりマッティアのものの考え方も大きく変わり人間として成長する成長物語って感じが強い映画でした。美人のショコラティエを目指すセシリア(ヴィオランテ・プラシド)とマッティアの恋は何だかドタバタで、素敵な恋愛映画では全くないのでこのDVDの写真ではこの映画の良さが出てないなと思いました。それよりもエジプト人のカマルを全面的に出した方がいい感じ♪。カマル役のハッサニ・シャピが実に良い味出していて、続けてこの手の映画を観たらちょっとファンになりそうでした。デーツとピスタチオのチョコレートって食べてみたいなあと思いました。


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ニュー・シネマ・パラダイス [イタリア映画]

「ニュー・シネマ・パラダイス」を25年ぶりに観ました。

今なら(4月いっぱい)GYAOで無料で観られます→http://gyao.yahoo.co.jp/p/00843/v09998/

私がお気に入りのとっても素敵な感動映画なので、この機会にたくさんの人に観てもらいたいです。世界中のたくさんの賞を獲っています(アカデミー賞最優秀外国映画賞受賞、カンヌ国際映画祭審査員特別賞受賞、ゴールデングローブ賞最優秀外国語映画賞受賞など)

映画公式サイト:http://n-c-p.asmik-ace.co.jp/ (2005年に映画館での上映を再度したとき作ったサイトのようです)

ニュー・シネマ・パラダイス [Blu-ray]

ニュー・シネマ・パラダイス [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: 角川映画
  • メディア: Blu-ray

映画館でこの映画が公開された当時(1990年)友人と観た映画でしたが、覚えているのは、とにかくとっても感動したことと、トトの可愛らしさ、そしてこの映画に使われた素晴らしい音楽のことです。だから私の中ではいつもこの映画は私のベストテンに入っている映画でした。また特にこの映画音楽は今なおいろんなところで耳にするスタンダードナンバー的な映画音楽なので大好きで、この音楽を聴くだけで反射的にとっても泣けてきます。それだけこの映画音楽が心にしみ、映画とマッチしていたということでもあるのですが…。

さて2度目の、そして25年ぶりに観たこの映画。やはりとっても泣けました。やはりこの映画、大好きだと再確認しました。初めて観たとき私は20代でしたが、そこから25年経ち人生経験してきて、余計にこの映画の良さが心にしみているのかもしれません。正直20代に観たこの映画の感想がどんなものだったのか、当時の自分に確認しようもありませんが(「いい映画を観た」と思ったのは間違いありませんが)、細かな部分はすっかり忘れて抜け落ちていました。映画のあちこちに戦争の影が落とされ、映画館とアルフレードとトトだけの話でなく恋愛のことも絡んでいたし、こんなにもたくさんの映画愛に溢れていたんだなあと。今観直すことができて本当にとっても良かったです。

ジャン・ギャバンにジョン・ウェーン、チャップリンにバスター・キートン、クラーク・ゲーブルにマリリン・モンロー、ボガードとバーグマンのカサブランカのポスターやビビアン・リーやクラーク・ゲーブルの風と共に去りぬのポスター…と私がすぐ確認できるだけでも映画に関することはこんなにあり、それがもっと映画通の人ならさらにいろんな映画関連のことがわかって面白いだろうなあと思います。また少年期のトトの可愛らしさは強烈に覚えていましたが、青年期のトトのことなどはすっかり忘れていて、青年期の恋愛のことも何だか記憶からするりと抜け落ちていました。でも今、青年期の恋するトト(サルバドーレ)を観るととっても切なく、胸が痛く、相手役のエレーナと共にこの俳優さんたちは今一体どうなっているのかなあ?というのも気になります…。

そういえば何年か前にテレビで確か「あの少年のトトが今どうなったか?」を取材していたのを観たのですが、結構いいおじさんになっていてちょっとガッカリしたのを覚えています。観ないほうが良かったかも。この少年トトはこの映画の中では永遠に最高にキュートな少年であり続けているのに現実は残酷です…。

最後のシーンでたくさんのキスシーンばかりを集めた映画を観る中年のトト(サルバドーレ)。音楽と相まって観ているこちらまで涙が止まらなくなります。検閲されていた時代に切り落とさなければならなかったキスシーンを密かにアルフレードが作り、それを観るトト(サルバトーレ)は今は亡きアルフレードのこと、その時代のことを思い出しながら涙するのです。

このレビューを書きながらまたこの映画が観たくなりました。

こちらは2005年のものか?3時間もの完全オリジナル版が劇場公開されたときの劇場版トレーラーらしいです↓。こちらのほうは長くなった分初恋のエレーナとのことがもっと詳しく描かれているらしく、そうであるなら最後のシーンでキスシーンを観ているトト(サルバトーレ)が涙しているのは、亡きアルフレードやこれまでの思い出だけでなく、叶わなかった自分の初恋に関しても思い出して泣いているのかもしれません。この映画のファンの人はきっとたくさんいると思います。観たらきっと好きな映画になると思います。

補足:

あらすじを書くのを忘れてました。

ローマに出て今や映画監督となったトト(サルバトーレ)は30年もの間戻らなかった故郷の母から電話を受ける。「アルフレードが亡くなった」との電話だった。映画は一気にこの30年間の回想シーン。自分が幼かったとき、学校そっちのけで夢中になった映画のこと。映写機を回す技師のおじいさんアルフレードのこと。アルフレードから映写機の回し方を学んだこと。映画館が火事になりアルフレードが盲目になったこと。新しい映画館が建ちそこで自分が映写機を回すようになったこと。初恋のこと。彼女が受け入れてくれるまで、夜な夜な何日も彼女の家の前に立ったこと。彼女と一緒に過ごした楽しかった日々のこと。そして突然の別れや手紙も届かなくなったこと。兵士として戦場に行ったこと。村に戻ってそのあと村を出ることになったこと。「もう村にいてはいけない、村のことも思い出すな」というアルフレードの言葉…。映画が当時の人々の最高の娯楽であった良き時代の、2つの大戦があった時代のイタリアシチリア島を舞台にした映画です。

「ニュー・シネマ・パラダイス」を作ったジュゼッペ・トルナトーレ監督の映画ですが、「海の上のピアニスト」も結構良かったです。また「題名のない子守唄」も観ていてこちらにレビュー載せてますが→http://naoazucar.blog.so-net.ne.jp/2007-08-14 「ニュー・シネマ・パラダイス」とは全く違ったテイストの映画になっているので、「ニュー・シネマ・パラダイス」を期待してみるとすごく裏切られます。観る方は要注意です。

それと、いつも読んでるりゅうさんのブログでりゅうさんもこの「ニューシネマパラダイス」を鑑賞していてレビューを書いているのですが(→http://ryuu.blog.so-net.ne.jp/2013-08-27 )そこで紹介されているりんこうさんのブログに(→http://rinkou.blog.so-net.ne.jp/2013-06-29 )に、この「ニュー・シネマ・パラダイス」の映画音楽を作曲したエンリオ・モリコーネ氏の直筆メッセージがアップされていました。りんこうさんが直接ファンレターを書いてその返事としていただいたものらしいです。ただイタリア語で書いてあるので何と書いてあるかわからないと書いたらわかる方が訳してくださってもいて、りゅうさんも書いてましたが、何と素晴らしいソネブロの連携プレーと思いました。

「ニュー・シネマ・パラダイス」を観た1990年は前の年にオーストラリアやニュージーランドに出かけ、その年にはインドに初めて出かけた時期なので、すごく思い出深い年だったなあと思い出しもしました。またいい映画は時期を置いて再度観るべきだ、と思いました。また何十年かしたら?この映画を観直したいと思います。感じ方がまた違っているかもしれません。


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シルク [イタリア映画]

今年初めての試写会は「シルク」。
一ツ橋ホールにて観てきました。

映画公式サイト:http://www.silk-movie.com/

この映画は日本・カナダ・イタリア合作映画で、原作は「海の上のピアニスト」を書いたアレッサンドロ・バリッコで、音楽は坂本龍一が担当。キーラ・ナイトレイや役所広司、中谷美紀が出演しています。「海の上のピアニスト」は結構好きな映画だったので、この映画も期待できそうと思って行きましたが、日本の女性の描き方にすごく違和感があり、その点でかなりがっかりした映画になりました。白人が描く日本人女性っていつまでこうなのかとかなり残念です。

マイケル・ピット演じるエルヴェが、キーラ・ナイトレイ演じるエレーヌと結婚し、蚕の事業を他の男たちと共同で行っていたのですが、蚕の疫病が発生したため、エルヴェが日本にその蚕の卵を求めて行くことになります。そして役所広司演じる村の権力者ハラ・ジュウベイの妻(新人の芦名早)と出会い、その彼女の怪しげな魅力に引き込まれていくというのが途中までの展開なのですが、その彼女の取った違和感ある行動というのが、

1・お茶を客であるエルヴェに出してから、その客が使った同じ湯のみを使い、自分もその客の目の前でお茶を飲む(こんなこと日本ではまずしないし、知らない世界の人が見たら日本ではこんな習慣があると思われるのではないか

2・客がいる前で、自分の夫の膝まくらで横になる。そして夫であるハラ・ジュウベイも自分の妻をなでている(日本では人前でいちゃいちゃする習慣なんて元々ないましてやこの時代になんてありえない

3・エルヴェが風呂に浸かっているとき、なぜか彼は目隠しして湯船に浸かり、下女らしき女たちがエルヴェの体を洗っていて、その後ハラ・ジュウベイの妻がやってきて怪しくエルヴェの腕に触り、手紙を渡していく(客が風呂に入っているところに女たちが自由に出入りするのが不可解

他にもエルヴェが3度目に日本に行ったときエルヴァを案内してくれた子供をハラ・ジュウベイが殺してしまうこと(いかに子供が罪を犯したとしても殺しはしないでしょう)や、このハラ・ジュウベイが何者なのか、なぜ村が焼き討ちのようなものにあったのか、すごくいろんなことが謎で、日本人なので余計にその日本で起きたことも気にかかり、これが世界で上映されるのは日本人としてかなり納得いかないと思いました。

2度までは成功していたエルヴェでしたが、3度目に日本に渡ったときに頼りにしていたハラ・ジュウベイから邪険に扱われ、蚕の卵もうまく運ぶことが出来ず、事業も失敗し、そのうち妻のエレーヌも病気になり亡くなってしまい、その後ハラ・ジュウベイの妻から郵便で送られてきたと思っていた日本語の手紙が、実は自分の妻エレーヌが中谷美紀演じるリオンに住んでる日本人女性にお願いして日本語にしてもらった手紙であることを知り、エレーヌがどれほど自分を愛してくれていたかを知る、というエンディングで、全体的には素敵な話でしたけれど・・・。

またもう少しこの映画のいい点を述べれば、主人公が西洋と日本を行ったり来たりするので、その対比みたいなものが面白かったし、映像自体は美しくちょっと官能的でした。それに役所広司の演技はいつものことながら素晴らしかった。欲を言えばもうちょっとスクリーンに出てて欲しかったけれど・・。リオンに住んでいる日本人女性を演じた中谷美紀も良かったです。

でもやはり残るのは、日本人のハラ・ジュウベイの妻には異議あり、ということ

「ラストサムライ」の時は、出演した渡辺謙や真田広之が「外人スタッフが思い込んでる間違った日本の部分を変えてもらうために、説明を何度も繰り返してして直してもらった」といったようなことをインタビューで言ってたと思うのですが、今回は近くにいる日本人の誰かが言ってくれなかったのかなあと残念。固定観念を変えるのはそうそうたやすくないけれど、外人のスタッフさん、そろそろ判って欲しいなあと思う映画でした。

SILK

SILK

  • アーティスト: ryuichi sakamoto, 坂本龍一
  • 出版社/メーカー: エイベックス・エンタテインメント
  • 発売日: 2007/12/12
  • メディア: CD
絹 (白水Uブックス 169 海外小説の誘惑)

絹 (白水Uブックス 169 海外小説の誘惑)

  • 作者: アレッサンドロ・バリッコ
  • 出版社/メーカー: 白水社
  • 発売日: 2007/12
  • メディア: 単行本

海の上のピアニスト

海の上のピアニスト

  • 出版社/メーカー: パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
  • 発売日: 2004/04/23
  • メディア: DVD

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